「支えたい」を仕事にするには?産後パートナーとして活動するまでのロードマップ

「あの頃の私みたいなママを、今度は支える側になりたい」
「保育の経験を、もっと家庭に近いところで活かしてみたい」
「子育て支援は好き。でも、今までとは違う形で続けていきたい」
産後パートナーという仕事を知って、「こういう支援がしたかった」と思った人もいるかもしれません。
でも、次に浮かぶのは、
「実際、どうやったら仕事にできるの?」
という疑問ではないでしょうか。
- 資格は必要?
- 子育て経験があればできる?
- どんなことを学ぶ?
- 家庭に入って、本当に一人で対応できる?
- どうやってお客様を見つける?
- ちゃんと収入になる?
ここでは、「支えたい」という気持ちを、実際に家庭へ届けられる仕事にしていくまでを順番に見ていきます。
STEP1|まず、「支えたい」という自分の気持ちを知る
意外かもしれませんが、
産後パートナーとして活動するために大切なのは、
「産後についてたくさん知ること」だけではありません。
まず向き合いたいのが、
自分自身のこと。
- なぜ、産後の家庭を支えたいと思うのか。
- 自分にはどんな強みや経験があるのか。
- 普段どうやってストレスに対応しているのか。
- 自分は、人とどんな距離感で関わっているのか。
- どんな人をケアしたいと思っているのか。
他人の家庭に入るということは、
自分とは違う価値観にも出会うということです。
食事。
片づけ。
子育て。
夫婦関係。
お金。
仕事。
家族との距離感。
そこには「これが正解」と言えないものがたくさんあります。
だからこそ、
相手を知る前に、自分自身の価値観や傾向を知っておく。
それが、誰かを尊重して支えるための土台になります。

STEP2|産後の身体・心・暮らしについて学ぶ
次に必要なのが、産後という時期について正しく知ることです。
- 出産後の身体はどんな状態なのか。
- 赤ちゃんはどんなふうに成長していくのか。
- 産後にはどんな心の変化が起こることがあるのか。
- どんなことに注意する必要があるのか。
- 家庭の暮らしはどう変化するのか。
産後パートナーは医療職ではありません。
だからこそ、自分ができることと、専門職につなぐべきことを知っておくことも重要です。
何でも自分で解決するために学ぶのではありません。
「これは自分が担えること」
「これは助産師など専門家の力が必要なこと」
その境界線を理解することも、家庭に入る人に必要な専門性です。
STEP3|「やってあげる」ではなく、相手に合わせた支援を学ぶ
料理が得意。
子育て経験がある。
赤ちゃんのお世話にも慣れている。
それだけでは、産後パートナーとして十分とは限りません。
なぜなら、
自分にとっての「いい暮らし」と、
その家庭にとっての「いい暮らし」は違うからです。
「こうした方が楽ですよ」
「私のときはこうしました」
と、自分の経験から答えを出すのではなく・・・
- その人は何に困っているのか。
- どうしたいと思っているのか。
- 何を大切にしているのか。
- 今、本当に必要としていることは何なのか。
話を聴きながら一緒に考える。
そして必要なところに手をかける。
相手の人生を代わりに決めるのではなく、その人が自分なりの暮らしをつくっていくことを支える。
そんな関わり方を身につけていきます。

STEP4|家庭で必要になる実践力を身につける
家庭に入れば、知識だけでは対応できないこともたくさんあります。
- 限られた時間や食材で食事を整える。
- 赤ちゃんのいる家庭で安全に家事をする。
- その家庭のやり方を確認しながら動く。
- 赤ちゃんや家族の様子を見ながら、優先順位を考える。
そして、家庭というとてもプライベートな場所に入るからこそ、距離感やマナー、守秘、衛生、安全への配慮も必要です。
知識として「分かっている」と、実際の家庭で「できる」の間には、距離があります。
だから、
学ぶだけでなく、実際にやってみる。
実技や実践を重ねながら、家庭に入るための力を身につけていきます。
STEP5|実際の家庭に関わりながら経験を積む
学んだら、いきなり一人前になるわけではありません。
実際の家庭に関わると、想定していなかったことがたくさん起こります。
「今日は料理をする予定だったけれど、まず話を聞いた方がよさそう」
「お願いされたことを全部やるより、今日はこれを優先した方がいいかもしれない」
「自分だけで抱えず、別の支援につないだ方がいい」
知識や技術を、目の前の家庭に合わせて使う力は、実践の中で育っていきます。
経験し、振り返り、また学ぶ。
その繰り返しによって、「家庭に入る人」としての判断力を身につけていきます。

STEP6|「いい支援ができる」から「仕事として続けられる」へ
ここは、とても大切なところです。
どれだけ支援への思いがあっても、
仕事として続かなければ、必要な家庭へ届け続けることはできません。
産後パートナーとして個人で活動するなら、
- サービス内容を考える。
- 価格を決める。
- 活動地域を決める。
- 開業の準備をする。
- 自分のことを知ってもらう。
- 必要としている人へ情報を届ける。
- 申し込みを受ける。
- お客様とのやり取りをする。
こうしたことも必要になります。
「支援する力」と、「その支援を仕事として届ける力」は別のものです。
だから、両方を身につけていく必要があります。
「困っている人のためだから、安く」は続かない
子育て支援やケアに関わってきた人の中には、
対価を受け取ることに抵抗を感じる人もいます。
「困っている人からお金をもらっていいのかな」
「私にそんな金額をつけていいのかな」
「もっと安い方が利用してもらえるのでは」
そう思うこともあるかもしれません。
でも、
移動する時間。
家庭で支援する時間。
準備する時間。
連絡を取る時間。
これまで学んできたこと。
これから学び続けること。
そして、自分自身の暮らし。
すべてを削りながら支援を続けることはできません。
適切な対価を受け取ることは、ケアを大切にしないことではありません。
むしろ、ケアを一時的な善意で終わらせず、必要な家庭へ届け続けるために必要なことでもあります。
STEP7|自分自身も大切にできる働き方をつくる
産後パートナーは、
誰かの暮らしを支える仕事です。
だからこそ、
支える人自身の暮らしも大切にします。
- 週に何日働くのか。
- 一日に何家庭訪問するのか。
- どこまでなら移動できるのか。
- 家族との時間をどうしたいのか。
- どれくらいの収入が必要なのか。
- どんな家庭を支えたいのか。
働き方に、たった一つの正解はありません。
たくさん働きたい時期もあれば、家庭を優先しながら少しずつ活動したい時期もあるでしょう。
大切なのは、「支える仕事だから、自分は後回し」にしないこと。
ケアをする人が、自分を犠牲にしなくても続けられる働き方をつくっていくことも、この仕事の一部です。

「支えたい」を、家庭に届く仕事へ
ここまでを並べてみると、産後パートナーとして活動するまでには、
- 自分を知る
- 産後について学ぶ
- 人を支える関わり方を学ぶ
- 実践力を身につける
- 家庭で経験を積む
- 仕事として届ける準備をする
- 自分らしい形で活動する
という道のりがあります。
子育て経験があるから、すぐにできる仕事ではありません。
優しい人だからできる仕事でもありません。
一方で、
これまでの人生で積み重ねてきた経験を、全部捨ててゼロから始める仕事でもありません。
保育の現場で培ってきたこと。
子育て支援で感じてきたこと。
家庭を支えてきた経験。
自分自身の産後から学んだこと。
人と関わる中で育ててきた力。
そうしたものを土台にしながら、
家庭に入るための知識・技術・関わり方を学び直し、「支えたい」という思いを専門性のある仕事へ育てていく。
それが、産後パートナーになるということです。
産後パートナー養成講座では、活動するところまでを見据えて学びます
産後パートナー協会では、「資格を取って終わり」ではなく、実際に家庭へ支援を届けられる人になることを大切にしています。
産後の母子についての知識。
家庭に入るための実技。
相手の話を聴き、その人自身の答えを尊重する関わり方。
自分自身への理解。
実践を通した学び。
そして、個人で活動していくための仕事づくりや集客についても学んでいきます。
なぜなら、私たちが増やしたいのは「資格を持っている人」ではなく、必要な家庭に、実際にケアを届けられる人だからです。
「もっと家庭に寄り添う支援がしたい」
「あの頃の私のような人を、今度は支える側になりたい」
「ケアすることを、自分を犠牲にせず続けられる仕事にしたい」
そんな思いがある方は、
産後パートナーという働き方を、もう少し詳しく知ってみてください。

